古美術品の中でも骨董品は真贋の鑑定をするために膨大な知識が必要となります。
日本各地で独特の焼き物が作られ、それぞれについて歴史的な背景や有名な作家、変動する価値を知らなければいけません。
骨董の勉強をするためには書籍での知識収集は基本です。
ただしあくまで知識でしかありませんので、それだけで本物の実力がつくわけではありません。
実際に本物の焼き物を見て学ぶ「実学」こそが骨董の勉強をするためには重要になります。
まずは美術館や民芸博物館、資料館などで実物を見て、できれば直接触ってよく観察することです。
あとは実際に骨董品を自分で購入することがなによりの勉強となります。
実用品に近いものであれば手ごろな価格で手に入るものも多く、実物を見ながら実践経験を積むのが一番の早道です。
古美術店で購入するなら店主と商品について話をして、自分の審美眼、価値観とのギャップを埋めていきましょう。
買って売ってを繰り返す中で自分の知識が経験となって、実力へと変わっていきます。
骨董の世界は奥が深いですから、初心者や上級者が知識を得るために、古今東西の名品を集めて勉強しています。茶器の場合であれば、唐物や高麗物に加えて、日本的な美意識が結集した和物があります。外国の作品との違いも知ることで、独自の世界観を構築できるようになります。
骨董の勉強は、生涯をかけて行うものですから、相当な時間がかかるものです。技術が長くて生命は短いという格言がありますから、なるべくは早く実践したいものですが、努力すれば素早く身に付けることも可能です。好奇心が旺盛な人は、珍しい作品を眺めるだけでも、隠されている魅力を見出すことができます。
骨董の趣味を始める際には、美術館にも頻繁に通うようにすれば、自然に美意識が備わっていきます。最初にはお手本となる名品を鑑賞することで、他の作品との違いが分かり、先人たちの技術の高さも理解できるはずです。お手本を参考にしながら、独創的な知恵を生み出していけば、骨董を鑑定できる能力も養われていきます。
2023/5/11 更新